優しく厳しい世界

「現実」に対する「非整合的」(矛盾)な契機だけが「変化」を可能にする。


その変化によってもたらされる一瞬間後の「結果」もまた「現実」であり、変化の契機であった非整合性はその一瞬間後においては既に縫合され「完全なる整合性」に修復される。


それがどのような非整合的な契機であろうともである。


現実は「時」を切り取り分析してみれば、いついかなるときもただそれだけで「整合的」なのである。


世界は人の「非整合性」を咎めやしない。(世界は人に優しい)


ただ、その結果が「人の思い」に沿うものかどうかなどということには一切関知しない。(世界は人に厳しい)


そして、人は「整合性」よりもむしろ「人の思い」に「関心」があるからいついかなる「時」を切り取っても「不合理」なのである。