総裁選と欠席裁判

先日、厚生労働大臣放送法が定める政治的公平の原則に違反するとしてTBSに抗議していた。
舛添厚労相がTBSに抗議へ、年金問題で「欠席裁判」と


私は、その経緯も考慮すればこの抗議を正当なものだと思う。


一方、この「政治的公平」を考えたとき、自民党の総裁選に関するマスメディアの扱いは、かなりその公平性を欠いているように思う。
総裁選が党内の総裁を選ぶものである以上、それはあくまで一政党に過ぎない自民党の内部事情でしかない。
その意味においては、自民党員でもない一般市民向けの演説、討論会等々を各局横並びで放映し、公的電波を一政党に独占させてしまうと言う状況は好ましいものなのだろうか?


これらのキャンペーンの中では自民党政治的主張が表明されるのはもちろんだが、民主党自体に言及することもあれば、民主党の政策に言及する事もある。


それに対し、その一方の民主党を含む野党側に反論もしくは、それに対抗する政策を表明する機会はごくごく限られたものでしかない。



しかし、衆議院過半数を占める与党自民党の総裁はそのまま総理大臣となるのが通常のことである以上、国民がその候補の政策を知ることは国民の権利とも言える。


であるならば、「政治的公平」を確保するためにマスメディアが取るべき手段は野党にも同等の機会をできうる限り提供する事なのではなかろうか?


民主主義は手続きである。
その民主主義の手続き対する信頼を損ねかねない今の状態に何の疑問も、それを是正しようとする姿勢も示すことができないマスメディアは大いに反省するべきである。


まして、現在の空白は、総理であると同時に自民党の総裁でもある安倍首相が国会会期中にも関わらず突然の辞任した事により招いた危機的状況である。
その責任を有する側が一方的にアドバンテージを得、何の責も無い側がディスアドバンテージを被らねばならぬとしたならば、これほどの不公正は無い。