Leave me alone!



ティールによるブルドックの企業買収は結局、買収防衛策が合法ということになったようだが、それでもスティール側はしっかり利益を確保しているようですね。


金に縁の無い立場から見ていると精神的価値を「人質」にして貨幣価値という「身代金」を合法的にせしめただけのように見える。


とはいっても精神的価値は貨幣価値に換算しないだろうし、マネーゲームではゼロ価値だろうから、そのレイヤーで見れば元から人質なんて取っていないわけで、精神的価値を勝手に価値としてそこに見出している方が一方的にその対価を払うことになってしまうんだね。


彼らにとって「貨幣価値の無いものに勝手に価値を見出している者」は「金のなる木」「葱をしょっているカモ」に見えるかもしれない。
買収話がどちらに転んでも損をしないのだからこれからも狙われるのでしょう・・・よく分からないけど。


ほら、その点、私はそのレイヤー上のプレイヤーではないからそれを「当然」とは思わないだけで、「野蛮だね、エコノミックアニマルは」という感想しか持たない。
貨幣が価値をフェアに評価するなんてもとから思えないんだから、それを当然だという(前提とする)レイヤーの理路を妥当だと思えないのは当たり前か。


本当は「そんなにそのゲームをやりたいなら、やりたい人だけでどこか別のところでやる分にはいいんじゃない」といいたいところだけど、法や強制力を持つ国の政府が「皆さん、それを当然と思いなさい」という政策を取られるとそうも言えない。


かつては、経済以外の価値を度外視しているように見られた日本人がさんざん「エコノミックアニマル」と呼ばれたものだが、今は逆。
より純化されたEconomicMonsterの生みの親は、もしかすると当時の日本なのかもしれないね。


「貨幣は価値をフェアに評価する」イデオロギーの傲慢さは、そのイデオロギーを認めないものまでも巻き込んで「それに同意している」という前提を押し付け、最終的にそれを否応無く意識に内在化させられて、結果的に同意している自分にされてしまうところにあると思うんだけど、その前提を意識化したくもない庶民のことを考える前に、別の理由で早々にこの前提に同意を与えてしまったのが他でもないわが国の政府なので、国民がそれを是認する以上は先方に「皆同意している」と思われても仕方が無い・・・か。


話は戻るけど、確かに今回の買収劇に代表されるように、最終的には貨幣価値化されていない「精神的価値」も貨幣化されることは十分ありえる。
ただその場合、「精神的価値」を持っている側は、その価値を大事に思うのは自分だけなので、自らそれに見合う貨幣価値を決めることを強いられ、それを維持したければ、その自らが決めた貨幣価値で「買い戻させられる」って形で貨幣化されて流通してしまいかねないのですね。


精神的価値は市場の目に触れるところになど晒してはいけないんですよ・・・きっと。


これからは「私だけの大事な価値」はそれを持ち続けようとしただけでそれ相当の対価を要求される時代になる・・・のか?


失礼、すでにそうだってことなんだよね。


「私だけの大事な価値」を失いたくなければ、誰かに「貨幣化」されないように、決して自慢などせず、目立たぬよう、誰にも見つからないようにこっそり持ち続けましょう。


あーあ・・・「ただ普通に生きること」ができないというのは・・・なんとも・・・疲れるね。


EconomicMonsterの皆さん・・・Please leave me alone!!