変な理屈

赤城農相経費問題:父親が発言撤回 「今も活動拠点」」のなかで、経費の詳細公表要求に対する赤城農相のコメントが出ている。

『さらに野党が要求している経費の詳細な公表については、「法律で公表する必要がないのであれば、まさにその法律の趣旨の通りに運用すべきだ」と改めて拒否した。』



そういえば、前農相も同じようなことを言っていたな。


法律の趣旨は「公表の必要の無さ」を規定するのが趣旨なのか?
「公表しない」事由を取り決めるための法律だったのか?
あたかも、公表したら違法であるかのような言い方である。
違うだろ。


「ここまでは法律で公表しなければならない」ということを取り決めたものでしかないだろ。
べつに公表したって法律の趣旨に反するはず無いではないか?
そもそも、政治資金を規正するのが趣旨なんだから。


こんな理屈を言ってしまえば改正「政治資金規正法」はどんな「趣旨」になってしまうのか?
公表しない事由を「資金管理団体以外」「5万円以下」とすること(減免)を趣旨とした法律だと見なければならない。
つまり
資金管理団体以外、5万円以下の明細を公表することはこの法律の趣旨に沿わないということになる。
違うだろ。


公表できればそれに越したことは無いが、事務の煩雑さがあるから「猶予」を設けようという類の説明であったはず。
それに対して野党が「不十分」であるといっても、それで十分資金の流れが透明になるという理路で押し通したのではなかったのか?


赤城農相の「理屈」は今回の改正「政治資金規正法」が野党の言うように「不十分」であるということを、自ら認めてしまうようなものである。
このでたらめな理路にそのまま乗っかってしまって彼を擁護する首相の政治センスもまたでたらめである。
「忠告」を野党の党利だといって決め付け、議論もせずに数を頼りに強引に法律を通し、それを選挙のために「実績」として強調しながら、(これも選挙の為に)それが「ざる法」になり得ることを自らの言説と行為で実証してしまっている。


これまで起きた不祥事と言われるものへの対応で一貫しているのは「選挙の為」という事だけで、それ以外の軸がまるで見えてこない。


「法律」を通すことは、絶対多数をもらえば誰だってできる。
通した「法律」がこの程度なら、いくら多くの「法案」を通そうがそれが何の「実績」になるというのか?


与党の方でもいいから何とかしてくれよ、この人!!